理事長挨拶

日本川崎病学会の理事長を拝命いたしました千葉大学の尾内善広でございます。川崎先生により1960年代に見出されたこの疾患に対し、長年にわたり心血を注いでこられた諸先輩方の歩みに改めて敬意を表するとともに、身の引き締まる思いでございます。学会員、関係者の皆様には日頃より、ご支援を賜り誠にありがとうございます。

私は遺伝研究者の立場で「川崎病のことをもっと深く知りたい」という気持ちを絶やさず研究に取り組んで参りましたが、これまで研究を続けてこられたのは、川崎先生をはじめ本学会の多くの先人たちの支えがあったからこそでであります。その「恩を返す」という気持ちで今度は私が本学会の発展に尽力したいと考えております。次世代を担う若手医師や研究者たちが、「あくなき探求」の心を持つきっかけとなり、その心を持ち続けられる環境を整えること。それが、先輩方から受け継いだ灯火を、より大きく未来へ繋ぐ唯一の道だと確信しております。

本学会の最大の強みは、川崎病発見の地であり、世界で最も罹患率の高い国にある、基礎医学、疫学、そして臨床という異なる専門性を有する会員がお互いを尊重し、議論出来る場であることと認識しています。その強みは同時に私たちが最先端の知見と最良の医療を創出し続ける「国際的な責任」を負っていることを意味します。分野を跨いだ「あくなき探求」を軸に、海外の研究者、患者・家族の方々とも手を携え「病因・病態の解明」、「冠動脈後遺症のさらなる減少」、「成人後の後遺症管理の課題克服」に挑んでいきましょう。

「あくなき探求」の先には、川崎先生の悲願であった川崎病の完全な原因究明、予防法の確立という未来があります。諸先輩方の想いを胸に、会員の皆様とともに一歩一歩着実に歩みを進めてまいる所存です。今後とも、皆様のさらなるご支援とご鞭撻を心よりお願い申し上げます。

2025年10月
一般社団法人日本川崎病学会
理事長 尾内善広