川崎先生との親子二代の御縁に感謝して

尾内善広
Yoshihiro Onouchi

千葉大学大学院 医学研究院 公衆衛生学
教授
日本川崎病学会 学術委員長

川崎先生のご訃報に接し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

私の川崎先生との出会いは川崎病の遺伝的側面について研究を始めた大学院生時代に、対象者への協力依頼について相談させていただいた1997年に遡ります。そこから始まった研究がITPKC遺伝子の論文に結実するまで10年以上を要してしまったのですが、その間、決して成果を急かされることはありませんでした。研究会等でお会いすれば、いつもあの厚い両手で握手をしてくださり、それが私にとってどれだけ大きな励ましとなったか知れません。

小児循環器医である父は先生とは長く懇意にしていただいておりましたので先生ご夫妻には初めてお目にかかった時以来、「ジュニア」と呼んでかわいがっていただきました。神田まつや、駒形どぜう、あんこう鍋のいせ源など、美味しいお店を教えていただいたこと、一度は私と家内、川崎ご夫妻の4人で浅草で会食させていただいたこともあり、とても良い思い出です。

川崎病を私にとってライフワークとなっています。川崎病にそれだけの重要性があるということは間違いないのですが、やはり川崎先生の存在も大きいかったのだと思います。自分は川崎先生のお人柄に惹かれ、真実を追求し続ける生き方に影響を受けた一人だと確信しています。川崎病を発見されたのが川崎先生で良かった。これは私が感じ続け、そして、皆様も同じ考えでいらっしゃるであろうと思うことです。

本当に長い間、お疲れさまでした、そしてありがとうございました。

どうか安らかにお休みください。

Dr. Kawasaki in photos

2008年の第9回国際川崎病シンポジウム(台北)にて

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